激動の時代 普通の会社員にも英語が必要になるという事実

ここ数年、「グローバル化」「英語が必要」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
ニュースでも、国内の有名企業が行う取り組みについて、次々と報じられています。

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楽天
2012年から全グループ企業の社内公用語を英語に。

ユニクロファーストリテイリング
2012年から社内公用語を英語に。店長を含む幹部社員にTOEIC700点以上の取得を求める。

パナソニック
2012年4月入社の新卒社員のうち8割(1390人中1100人)は海外の現地外国人を採用。
※入社式の新入社員代表はインドネシア人でした。

武田薬品工業
2013年4月入社の新卒採用から、TOEICで730点以上の取得を義務づける。

三井住友銀行
2011年から、総合職の全行員約1万3千人にTOEICで800点以上を目指すよう求める。

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上記はほんの一例で、他にも様々な企業で、TOEICのスコアが昇進の条件にされたり、リストラ・減俸の理由にされたりということが、実際に起きています。

これらは、一時のブームでしょうか?
冷静に考えて、数千人から一万人を越える社員を抱えるような数々の企業が、一時のトレンドやライバルに流されてグローバル化に踏み切るとは、考えにくい話です。

グローバル化(国際化)」という言葉は最近できたものではなく、20年以上前から使われてきました。
私自身、中学生の頃から度々「国際化」「英語をやっておいた方がいい」と言われてきました。
実際はというと、私や私の付き合っていた人達にとって「国際化」は遠いことで、英語ができなくても問題なく過ごして来れました。

が、今回は以前のものとは性質が異なるようです。
以下に、その違いを記載します。

<20〜30年前の「国際化」>
・国内で成功を収めた事業を拡大するために、海外に進出する。
・取引先は欧米が中心。
・「海外○○部」等の一部の社員が英語を使う。

<今後の「グローバル化」>
・国内市場だけでは事業を継続することが困難となり、生き残りをかけて海外市場に打って出る。
・取引先はアジア諸国が中心。
・特別ではない一般社員も英語を使う。

つまり、以前は「英語を使う仕事」と言えば「英語のできる人にお任せ」という時代でしたが、これからは「普通の社員も英語を使って自分の業務を行う必要が出てくる」、というのが大きな違いです。前述の楽天三井住友銀行が全社員・行員を対象としていることが、その事実を物語っています。

今回のグローバル化の背景にある要素は、大きく3つ挙げられます。
・国内人口の減少による市場の縮小(2050年には、日本の人口が1億人を切ると予想されています)
・高い人件費、法人税
リーマンショック以降の景気低迷

これらを考えると、20〜30年前の「国際化」とは性質の違うということが、はっきりわかります。
現在の「グローバル化」は是か非かを論じる対象ではなく、既に起こっている「事実」です。
昨年、『9割の日本人に英語はいらない』((祥伝社成毛眞氏著) )という書籍が話題になりました。
「やっぱり自分には英語は必要ないんじゃないか」と思った人も多いかも知れませんが、逆に考えると『1割の日本人に英語はいる』、つまり1000万人に英語は必要ということです。やはり、普通の会社員にも必要な時代と言えます。

そしてここで強調したいのは、「英語の必要性は自分で選ぶ」 ということです。
私がそう考える3つの根拠を、以下に記します。

1.英語の必要な時期が、望むタイミングで来るとは限らない

英語が必要になる今後の時代にも、英語を避け続けることは可能です。
英語ができなくても、実際問題として困らない生き方もできます。
せっかく英語を勉強しても、すぐには使う機会が訪れないかも知れません。
でも、英語ができると生き方の選択肢が何倍にも増えます。
選択肢が増えると、ハッピーになれる確率が高まります。
この点を踏まえた上で、必要性を自ら選ぶことがポイントになります。

2. 主体的な方が身につくのが早い

誰かに強いられた「受身」の必要性より、自分から作り出した「主体的」な必要性の方が、英語を身につけるのが早くなります。
例え「会社から求められて」という理由で英語を始めたとしても、それは最初のきっかけとして利用して、その後は主体的に自らが英語を使う人生を「選ぶ」と考えた方が集中力が高まり、学習の成果が出やすくなります。
「強制的な受身の必要性」は短期的には有効ですが、長期的には「主体的な必要性」の方が挫折しにくく、継続しやすくなります。

3.学習時間を充実させられる

「英語をやらなくちゃいけない」という意識で勉強をしていると、その時間がつらいものになりがちです。
英語を身につける過程は楽なことばかりではありませんが、決してつらいものではありません。
外国語の習得には1500時間が必要だと言われていますので、人生の貴重な時間の一部を費やすにあたり、つらい我慢の期間にするのではなく、「英語を好きで勉強している」と考えて取り組んみ充実させた方が、人生楽しいですよね。


普通の会社員にとって英語が必要な時代であることは事実ですが、更に大切なことは、「必要性」を軸にするより、「思いもよらない経験をして世界を広げる興奮」や、「この年齢からでも自分の成長を感じる驚き」を軸にした方が充実し、必要に迫られた時にも役立てることができる、ということです。


【この頁のまとめ】
●普通の会社員にも英語は必要!
●英語が必要かどうかは自分で選ぶ!
●必要性より感動を軸にした方が充実する!



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