成長に差がつくポイントは、苦手箇所の分析
英語を勉強しているAさんとBさんがいるとします。
二人が同じ時間数、同じ方法で、同じぐらい真剣に勉強しているのに、英語の身につき方やTOEICなどのスコアの伸びが違うとすると、考えられる違いの一つは、苦手箇所を分析しているかどうかです。
「TOEICのスコアがなかなか上がらないんですけど、どうしたらいいですか?」と質問をする場合に、具体的にどのパートのどんな問題が苦手なのかを併せて説明できる人は対策を立てることができ、苦手箇所をつぶして総合的な英語のスキルを伸ばすことにつながりやすいですが、それを説明できない人はその逆で、同じ結果を得るまでにより多くの時間を使うことになります。
「リスニング/リーディングが苦手」というだけでは不充分で、例えば、
・PART1で物が主語になった時の"○○ has been 過去分詞"か"○○ is being 過去分詞"かで間違える。
・PART2でイギリス人の発音が混ざってくると間違える。
・PART3で設問が音声の順番どおりでない場合に聞き逃して間違える。
・PART5で冠詞、空欄、名詞と並んでいる時に、現在分詞か過去分詞かで間違える。
・PART7でNOT問題が出ると、必ず時間が足りなくなって間違える。
という具合に、細かいところまで自分の弱点の傾向を挙げ、それを打破できるための対策を考えます。
TOEICで苦手箇所を把握するためには、相応の量の問題を解いて、間違えた原因を一つ一つ確認していく作業が必要になりますので、なかなか骨が折れます。
特に学習開始から間もない「どこが苦手というより、全部苦手というぐらいたくさん間違える」という時期には、着手する気が起きないかも知れません。
ですが、それをやるかやらないかで、目標達成までの期間は大きく変わってきます。
苦手箇所から目を逸らしたまま得意なところばかり勉強をし続けていると、それがボトルネックになり、得意なところがさらに伸びていく邪魔をしてきます。
仮に、せっかくリスニングが得意だとしても、文法が苦手なら、一定のところからはスコアは上がらなくなります。
文法を理解できないと意味を取れない場面が出てくるからです。
苦手箇所の分析の効果は、試験のスコアアップだけにとどまりません。
英語のリスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの四技能は全てつながっているためです。
では、どうやって苦手箇所をつぶすかというと、以下の二つの方法に時間を集中的に使うことで実現できます。
・苦手なところを重点的に繰り返して復習する。
⇒正しい例文を暗誦するぐらい音読し、体に覚え込ませるようにします。
・間違えてしまうプロセスを分析し、それを変えるための新しいプロセスを作る。
⇒例:PART5で前後一語ずつだけ見て早とちりして間違えるプロセスから、幅を広げて意味を取り根拠を持って選択肢を選ぶプロセスに変える、など。
英語学習の開始時には、好きなこと、興味のあることをがんがんやって、英語を習慣化するのがお勧めです。
そしてその後、ある程度英語に自信がついてきたら、どこかのタイミングで苦手箇所の分析と対策に比重を置くようシフトすると、その後の伸び方が加速しますし、より一層英語が面白くなってきます。
もしあなたが、たくさん勉強しているのにどうも成長に引っかかりを感じるなら、ぜひ実践してみてください。