英語の仕事を任されるまでに取った3つの戦略(会社へのアピール)

今回のテーマは、英語学習を仕事に活かす上で、とても重要です。なぜなら、あなたがせっかく一生懸命英語を勉強して、仕事で使えるだけの英語力を身につけても、そのことを会社で誰も知らなければ、それを活かす機会は永遠に回ってこないからです。

アピールすることを気恥ずかしいと思う人もいるかも知れません。「ある日突然英語の電話がかかってきて、流暢な英語で対応して同僚を驚かせ、上司から海外事業部門への配属を言い渡される」なんてかっこいいですが、そんなドラマのような出来事を妄想するより、もっと現実的な方法が、アピールです。


では、どうアピールしていけばいいか?ということを、これからお伝えしますね。私の場合は、この方法を一つでも違えたら、英語案件を担当する話は実現しなかったかも知れません。

ポイントは3つです。
【1.アピール時期と頻度】
【2.アピールする相手】
【3.アピールする内容】


【1.アピール時期と頻度】
まず時期ですが、英語学習開始直後は一番やる気満々なので、すぐに会社に「英語勉強してます!」と言いたくなるかも知れませんが、お勧めの時期は、【英語学習開始後3ヶ月〜半年後】です。

理由は、会社にアピールする以上、「こいつは英語を仕事で使える」という認識を持ってもらう必要があるので、 開始直後だとどれだけ熱く語っても、説得力があまりありません。また、もしも何らかの事情で英語学習を継続できなかった場合、「口だけの人」と評価されかねません。

英語を身につけるために必要なのは、【習慣化】です。3ヶ月〜半年続ければ習慣になったと判断できますし、それぐらい学習を続けていると手応えも感じ英語力も既にある程度蓄積されています。なので、【3ヶ月〜半年がぴったり】というわけです。


TOEICで860点を越えてからアピールを開始しよう」という人もいるかも知れませんが、仮にそこまでに1年2年かかると、その間に英語案件のチャンスがあっても見送ることになります。その為、できる限り早い時期からアピールし、学習継続し徐々に英語力が上がっていく姿を見せる方がいいです。

英語で仕事をするのに必要なのは、TOEICスコアや留学経験の有無ではなく、その仕事を実際に【やらせてもらえる】ことです。会社は、「この人ならこの仕事ができる」と判断できる人に仕事を任せます。実務経験がないのに任せてもらいたい場合は尚更、会社にそう思わせるよう動く必要があります。

アピールの頻度は、一度や二度では忘れられてしまうので、なるべくマメにした方がいいです。ただし、会うたびに「英語頑張ってます、英語で仕事やります!」と言っても鬱陶しがられかねないので、徐々に頻度は減らしつつ、忘れられないぐらいのタイミングでまたアピールして、というのがベストです。


【2.アピールする相手】
次に、相手です。誰彼問わず英語学習の話をすると、やはり鬱陶しがられる可能性がありますので、ターゲットを3人のキーパーソンに絞ります。 【直属の上司】【さらに上の上司】【人事担当】

私の場合も、日頃から直属の上司にまめにアピールしておいて、たまに会うさらに上の上司と人事担当者にもアピールすると、英語の仕事が回ってきました。理由は、仕事のアサインの権限を持つのが【さらに上の上司】と【人事】で、その2者が最も参考にするのが、【直属の上司】の意見だからです。

さらに上の上司、というのは、あなたが会社にいて接することのできる一番偉い人、と考えてください。私の場合は役員にもアピールしました。ちょうど英語の話題になったのを見計らって、ここぞとばかりに「英語を勉強してるので、仕事があったらぜひやらせてください」と言いました。

人事やさらに上の上司には、ロジカルに妥当性を持って、あなたが英語業務をできる理由を伝えることが必要です。また、熱意と前向きさを持って、相手が思わず楽しくなるように活き活きと語ることも、同じぐらい大事です。


【3.アピールする内容】
最後の項目は、伝えべき内容です。アピールする相手が英語に関心度が高くない場合は、こちらから自分はどんなことを身につけて、どう仕事に活かせるかを絡めて話す必要があります。

まずはよくない例から。「TOEICでA Level入りして、オンライン英会話を一年やっています」 これだと、相手は英語案件をあなたに任せていいか判断できません。

相手が知らないことを責めないほうがいいです。相手はTOEICやオンライン英会話なんて知らなくて当然ぐらいに思って、それをこっちから説明します。

例えば、「今回の案件の○○の業務は、お客様からの問い合わせ内容もある程度決まっているため、一定以上のリスニング力とパターン化された会話力があれば対応できます。
私はTOEICで860点を取り、リスニングでは受験者のうち上位3%に入っています。海外勤務の方や英語でプレゼンをこなす方でも、TOEIC700台の方も沢山いると聞きますので、この業務は問題なく対応できます」といった具合です。

また、オンライン英会話受講の説明も、「Skypeを使った英会話レッスンを毎日受けています。フィリピンはアメリカを顧客とするBPO分野でインドを抜いて世界一になりました。
そんな優秀な英語力とビジネス経験を持つと先生たちと、チームのマネジメントの仕方やお互いの国の業界の 違いなどを話したり、電話対応のロールプレイングをしたりしています」というふうにアピールすると、より具体的で伝わりやすくなります。

ポイントは、【客観的に妥当と言える判断材料をあなたが提供】し、【利益に貢献できること】をアピールし、会社に【あなたを英語案件の担当にすることのメリット】に気づかせる、という点です。

参考までに、私の例を書かせていただきます。当時、英語とチームの管理の両方をできる人はほぼいませんでした。そのため高い追加コストを使って新しく人を募集していたのですが、既存社員の自分が英語をできるようになれば、会社はコストを抑えられる、だから会社の利益に貢献できる、というロジックを立てました。そしてそれは、二年後に実現しました。二年もかかったとも思いますし、たった二年とも感じますが、とにかく二年粘ってようやくスタートラインに立ちました。

私の場合は最初から、「勉強を続けて英語力さえ上がれば英語の仕事ができるようになる」とも、「英語力を上げて外資系に転職する」とも考えていなくて、自分からどんどん動いて、英語の案件を持ってこさせる、もしくは人から英語の仕事を奪う位アグレッシヴにやらないと無理だろうと思っていました。

そんなわけで、英語の勉強をするだけではなく、会社に対して二年がかりで以上のようなアピールをしてきました。


【この頁のまとめ】
●英語を習慣化できた3ヶ月〜半年後に、まめにアピール!
●キーマンは直属上司、その上の上司、人事!
●会社の利益につながることをアピール!


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